筋トレとボイトレに力を入れすぎた理学療法士の話

整形外科クリニックの理学療法士(主任)。経験則を交えながら、忙しい社会人向けの筋トレ、ボイトレ、健康法についてお話しします。

リハビリでのスクワット動作①。starting strengthから効率良い方法を

筋トレという言葉を聞いてイメージするものといえば「スクワット」ではないでしょうか。

 

僕の担当する外来リハビリではスポーツ系から高齢者まで腰部、股関節、膝関節疾患の方を中心にスクワットを取り入れています。

 

たまに「肩や手首が痛い!」という症例でも入院や手術後で足腰が弱っていることにより床からの立ち上がりで腕を使いすぎていたことが根本的な原因だったということもあります。

 

というわけで…

今回はスクワットについて

 

スクワットの方法について検索すると様々な情報が出てきますが、僕なりの意見をまとめます。脚の筋トレも色々とあるのですが、スクワットをどの程度できるかを見ると歩行、階段、スポーツなどのパフォーマンスを予測しやすいです。

 

まずは参考にした書籍📕

洋書です。英語の勉強中なので教材を探していたらちょうど良いのがありました。

トレーニングと英語を同時に学べる最高の教材です!

Starting Strength (English Edition)

Starting Strength (English Edition)

 

youtubeなどでおすすめされていた本ですが

kindle版(電子書籍)だと1000円ちょいです。紙だとめっちゃ高いです。理学療法関連の書籍も電子版📚で1000円とかあれば良いな。noteとかは少しずつ流行っているみたいだけどどうなんでしょうね?

 

この本はトレーニーはもちろん

「スポーツトレーナー志望の理学療法士」にも良いと思います。現在は和訳版が無いのが欠点です。

 

スクワット動画もありました

 

あとはこの書籍を参考にしているであろうyoutube動画で分かりやすいのもありました

 


【初心者】正しいスクワット講座【筋トレ】


スクワット!日本のトップパワーリフターから学ぶ

 

これを見たら僕のブログで言及する必要はなさそうですが、もう少しお付き合いして下さると嬉しいです🌀

 

まずは効率の良いフォームから

・バランスが崩れない

・特定の筋肉や関節に負担がかからない

・反復しても疲れにくい

というのが効率性です。

 

リハビリでも下肢の骨折や手術後に筋力が大幅に落ちる症例を担当します。

どこにも掴まらずに「試しにスクワットやってみましょう。」と声をかけて上記のようなフォームに近づけるように誘導します。

腰痛関連の記事でも述べたのですが人間は疲れないような動作パターンを選択します。そのため膝が内側に入り込む「ニーイン」というパターンになることが非常に多いです。

 

さらに筋肉に着目すると

・ハムストリングス

・大腿直筋

・下腿三頭筋(特にヒラメ筋)

が適度に伸張されていればどの角度でも満遍なく力を発揮できます。

※筋肉は適度に伸張されていると力を発揮しやすいという性質があります(長さ-張力の関係)

 

切り返しの瞬間は伸張反射という神経の反応、筋肉そのもの粘弾性(バネ要素)を使うとさらに効率がアップします。これは別記事で紹介します。

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高齢者が選択しやすいパターンです。膝が前に出て、腰は地面に対して垂直、あるいは丸めている場合も多いです。

この姿勢は「膝を痛めますよ!」とよく注意されることもしばしば。しかし高齢者がなぜ、わざわざ痛める動作をするのか。これを考えていくと動作分析の質が上がります。

 

何度もしつこいですが最もエネルギーを使わない楽なパターンを選択しているのです。しかしこの場合は過剰にストレッチされている組織が緩んだり、圧が分散できない部分に痛みを生じることがあります。

 

重心位置に着目すると

mid foot(土踏まずあたり)に重心をかけたまま上下運動を行うことが重要です。

僕はリハビリでもこの重心位置を意識させながらスクワットを行うところから始めます。

「リハビリや家でスクワットを頑張り過ぎたら痛くなった」と言われていたのが、この方法にしてから

リハビリ後、ホームエクササイズで痛くなったと言われることは大幅に減りました。

 

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ちなみに足部の重心位置が

・踵重心になりすぎると膝周辺や臀部にずっしり

・つま先重心になりすぎると足の指が自然に曲がる

といった現象が起こります。

 

僕は特に踵重心のスクワットが好きではない

踵重心のスクワットは大腿四頭筋、大臀筋に効くので以前は積極的にすすめていたのですが、僕自身も膝を壊したりリハビリ患者でも痛みを訴えることがしばしば。最近では痛みの出にくい、効率の良いフォームを習得して立ち上がりや階段に繋げていく方法を優先しています。

 

ちなみに立っている時は踵重心だと楽です。

ただ動作時はややつま先を意識するくらいのほうが良いです。

・スポーツ障害の原因として踵重心での着地が問題となっていたり

・階段を昇る際に踵重心だと膝と臀部に負荷がかかってキツいです

 

ちなみにつま先に荷重したほうが上記でも触れた「下腿三頭筋の弾性力」を利用できるため楽になります。バランスが悪いと注意する必要があります。

 

何人かに筋トレと言えば?と聞いてみたところ

 

 

 

 

ダンベルカールとプロテインでした。

 

 

 

※この記事は後ほど追記します