筋トレとボイトレに力を入れすぎた理学療法士の話

整形外科クリニックの理学療法士(主任)として働いています。趣味→特技になった筋トレとバンド活動についてお伝えします。タンパク質が友達。エビデンスよりも個人的な見解が中心。

むちうち損傷の治療、治し方、リハビリについて

僕は理学療法士として整形外科の外来リハビリに携わっているのですが

「交通事故関連の患者」を非常に多く担当しています。

2018年7月にミイラ取りがミイラみたいなノリで自分自身が追突事故に遭いました。

 

 

むち打ち損傷とはどのようなものか?

むち打ち損傷(whiplash- associated injury)とは

「頸部が振られたことによって生じた頭頸部の衝撃によって、X線上外傷性の異常を伴わない頭頸部症状を引き起こしているもの」

むちうち損傷ハンドブック より

交通事故だけでなく、水泳の飛び込み、高所からの落下、頭を強くぶつけた、転倒などによっても引き起こされます。
何となく治りにくいというイメージがあると思いますが「多くは3か月以内で軽快するが、慢性化することもある」と言われています。

ダミー人形の衝突実験


新型フリードが事故ったら フリード 衝突実験(JNCAP 新自動車アセスメント)


自動車🚘の安全性能実験の動画です。色々と探した結果、これが一番見やすかったです。ちなみに嫁がホンダのフリードに乗っています。
※時速8km以下で志願者試験(人体)も行われていたらしい🌀いくら貰えるんだろう
 

どの方向から衝突してもシートに「押し出される→大きな前屈→後屈」というような形で身体がムチのようにしなるような動きをします。
その際に頚椎組織が「伸張ストレス」「圧縮ストレス」「剪断(ずれる)ストレス」などを受けて損傷を生じると思われます。
損傷部位は筋肉、靭帯、関節、神経など色々な説があります(一定の見解が得られていない)
頚椎の「椎間板」「椎間関節」「周囲の筋組織」が損傷して様々な症状を引き起こすと思われます。
 
僕の場合はこの実験よりも全然軽い衝撃だったのですが「事故の大きさと症状の強さが必ずしも関連していない」ため病態の把握や補償問題を複雑にしています。

 

むちうち損傷の治療


研究が集積されているが強いエビデンス(科学的根拠)はまちまち。リハビリに関連するものは非常に少ないです。

下記の「頸椎捻挫と徒手療法」という文献が役に立ちます

理学療法士向けです

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/41/8/41_KJ00009647392/_pdf/-char/ja


 
むち打ち損傷の症状が長引く要因として

1.初期損傷の重症度

・初期時頸部痛の程度

・上肢痛、異常知覚の存在

2.年齢

3.損傷による初期反応の強さ

睡眠障害

・神経質化

4.認知(思考)障害

・物忘れ

・注意散漫

・情報処理の遅延

5.頭部外傷あるいは頭痛の既往歴

佐藤親次、吉川麻衣子:外傷性頸部症候患者の初期情報に基づく予後予測

MBOrthop 12:21-26.1999より

 

難しいので解釈すると…


・事故当初から強い痛み
・上肢の痛み、異常知覚(しびれ、過敏)
・もともと関節変形の強い高齢者
睡眠障害、強い不安
・頭痛持ち
 
などがあると長引く可能性が高いということです。3ヶ月で良くならない場合は2年以上症状が持続する可能性があります。
 


僕が担当した症例で共通していたのは

・薬指〜小指にかけてのしびれ、違和感

・腕を高く挙げるとしびれと痛みが強くなる

・頸部、腕の付け根、肘の外側を押すと痛い(知覚過敏)

・上を向くと非常に痛がる


のある患者は症状が長引いてしまい治療に非常に苦労しました。
※そのうち詳しく書こうと思います
 
実際の治療としては
・電気治療
運動療法

徒手療法
薬物療法
・注射💉
など色々なものを組み合わせていきます。
 
基本的には「徐々に良くなっていく」ものであり「事故前に行っていた活動をすぐに再開する」ことが推奨されています。
僕も担当患者には「一時的に疲れたり重苦しい痛みを生じる可能性は高いですが、大抵の活動はむち打ちを悪化させることはない」という説明をします。
※実際には痛みがあると動かしたくないということが多いです

 

どんな治療も効果は出るが、すっきりしない

スタンダードな治療を行うと徐々に良くなり、日常生活や仕事はほとんど支障がなくなったという方がほとんどです。しかし

すっきり良くなった!とはいかず

疲労、体調不良

・天気が悪かったり冷えると調子が悪い

という症状が残存したまま治療を打ち切られるケースがほとんどです😿

 

※おそらく知覚過敏が残存している。これが完全に回復するかどうかは何とも言えないのが現状です。個人的には筋収縮やストレッチで刺激を与えながら慣らしていくことをすすめています。

 


 
非常に面倒な補償制度についても書きます
 


 
さらば