筋トレとボイトレに力を入れすぎた理学療法士の話

整形外科クリニックの理学療法士(主任)。経験則を交えながら、忙しい社会人向けの筋トレ、ボイトレ、健康法についてお話しします。

カフェで介護予防セミナー②大きな病気、怪我になる前に運動習慣を付けておく

2019年2月9日(日)の午後に介護予防セミナーを行います。

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茨城県牛久市のパチンコ屋「747」の少し上にある

「SaEMONs cafe」です。

 

セミナーで話そうと思っている内容について、こちらのブログでも紹介させていただこうと思います。

 

カフェで介護予防セミナー①なぜ介護予防が必要なのか?必要な人に財源を残すこと - 筋トレとボイトレに力を入れすぎた理学療法士の話

 

介護予防のために必要なことが3つあります。

・運動

・栄養

・認知機能

今回は「運動」について書きます。理学療法士としては最も専門性を発揮できる分野です。

 

みなさん、運動してますか?

健康診断の問診で、こんな項目があります。

・1回30分以上の運動の軽く汗をかく運動を、週2回以上、1年以上実施している(運動習慣)

・日常生活において、歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施している(活動量)

 

65歳までは上記の両方を満たす必要があり、65歳以上は「活動量」だけでも満たすことがおすすめです。

運動習慣者は30%と言われています

特に30代は最も低く、30代女性は10%以下と言われています。もちろんうちの嫁も運動していません。

意外にも65歳以上だと4割くらいの人は運動をしているのですが、半分には満たない状況です。

※厚生労働省のデータより

 

「運動をしたほうが良いか?」と聞かれればほとんどの方はYESと答えると思います

65歳以上から大きく差がついてくる

60歳までは運動をしても、しなくても日常生活で困ることはほとんどありません。階段や坂道を駆け上がったり、子供のイベントに参加して「ハアハア」するか、しないか程度だと思います。

 

運動習慣が無くなると

70歳で3分の2、80歳で脚の筋力が半分程度まで落ちます

60歳との比較です。パワーやスピードを司る「速筋」から衰えてきます。細胞そのものが死んでいくようです。

さらに、女性の筋力は男性の3分の2程度とも言われているのでさらに注意が必要になります。

※様々なデータがあるため一概には言えません

 

こうなってくると

・買い物かごを持ち上げる

・しゃがむ→立ち上がり

・ペットボトル、ビンの蓋を空ける

・出かけると疲れやすい

・家事に時間がかかってしまう

・孫などお客さんが来た後に、どっと疲れる

・何もないところで、つまずく

 

これは僕が外来リハビリで75歳以上の高齢者から聞いた「生の声」で多かったものです。ほとんどが女性です。男性の場合は大きなケガや病気を経験した後に筋力や体力の低下を自覚しやすくなるはずです。

 

運動しましょう。と言ってもしない人はしない

辛いことを避けるのが、人間の性です。それでも「介護予防」として運動をする意味はあります。

それは

大きな怪我、病気にかかると運動ができなくなってしまう

高齢になるにつれて

・脳卒中、がん、心臓などの大きな病気

・入院、手術が必要になるレベルの怪我

のリスクが高くなります。

 

そうなると、もうキツい運動はできなくなってしまいます。かえって不健康になるリスクが高くなってしまうためです。

※有酸素運動、日常生活活動は推奨されています

 

高齢になってから大きな怪我、病気にかかった場合は元通りにすることは、ほぼ不可能です。

 

身体機能を保てていれば、病気や怪我になっても復活しやすい

そのため、若いうちから週2回程度の運動習慣を付けておくことをおすすめします。どのような運動でも、少しキツい程度であれば効果が出ます。

できれば「仕事」「家族」から離れて運動できる時間を2時間程度確保できると良いと思います。

家事、仕事とは別で考えましょう。

 

高齢者は立って活動するだけでも良い

個人的におすすめなのは「掃除」です。上半身、下半身、体幹をバランス良く使えます。

 

運動、苦手な人も多いと思いますが、おすすめです。ホルモンによって若返る効果もあります。

 

次は栄養について