肩関節周囲炎(五十肩)のリハビリ②病院にかかるべきか?という判断。眠れない、水平に上がらないは要注意
2019年10月の記事です。
来週、33歳になります。白髪が年々増えてきました。
ここ最近は親世代の知人だけでなく、バンドメンバーからも「肩の痛み」について相談されることがありました。 僕は整形外科で外来リハビリを行っています。肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)、腱板損傷(肩のインナーマッスル損傷)を多く担当しています。
しかし「病院にかかっていないが、肩の不調がある」という潜在的な悩みを抱えている方が多いのではないかと考えるようになりました。
20年後は同級生だろう、明日は我が身。
何故かというと
痛みを数ヶ月我慢してから、病院に来るパターンが多い
リハビリで初診の際に問診をします。
「いつ頃から痛みが出始めましたか?」と尋ねると
「いつからだったっけ?確か3ヶ月くらい前だったかな」
「実は、半年前から痛みが出始めまして…気がつくと上がらなくなってきたんです」
という答えが多いです。さらに
「五十肩は自然に治ると聞いていたので、そのままにしていました〜」
という認識の方も多いです。これは微妙なところです。関節の炎症が自然に治った段階で、拘縮(硬くなる)が残っていなければ治癒したと言えるからです。
「全然良くならないし、むしろ肩が上がらなくなってきたので病院にかかることにしました」というパターンが多いです。
これは、普通の感覚です。本音は「できれば、病院には行きなくないな…」だと思います。
ちなみにプライベートでよく相談を受けるのが
「これって、病院にかかったほうが良いですか?」という質問です。
ここから本題に入ります。
夜間痛が1週間以上続く場合は病院に行くことを検討する
肩の痛みでよくある症状の1つが夜間痛(夜中にうずく)です。何らかのきっかけで肩の痛みが出たとします。その痛みが2〜3日でピークを迎え、1週間程度で良くなってくるようであれば様子を見ても良いと思います。
1週間以上も同じような症状が続く場合は肩に負担がかかる仕事を避けながら様子を見ることをおすすめします。使いすぎが原因であれば、徐々に痛みが緩和されてくる可能性もあります。日常生活の中で無理をしていないか、身体と対話してみましょう。
ある程度の年齢になったら、無理は禁物です。
※四六時中痛みがある、夜は眠れない、少し動かすだけで強い痛みが出る場合はすぐに病院へ
あとは鏡を見ながら腕を水平に上げてみることをおすすめします
痛みで肩が水平まで上がらない場合は要注意
肩の障害で起こる症状として前方、上方の物を取る際に強い痛みが出てしまうことがあります。
違和感程度から「ズッキーン!」という強烈な痛みでうずくまるレベルまで様々です。強い痛みを繰り返すと症状が悪化する可能性が高いです。
それをチェックする方法として、鏡の前で腕を水平に上げてみます。これは正常
水平に上げたつもりでも、肩をすくめるような形になり、上がりきらない場合は要注意です。急に腕を伸ばした際に強烈な痛みを生じる可能性があります。
こうなった場合、すでに日常生活で様々な不便がでていると思います。この動作で強い痛みが出てしまう場合には病院に行くことをおすすめします。悪化して痛みが強くなるほど、治りが遅くなります。
※急に動かすと強い痛みを自覚することが多い
いずれにしろ
生活習慣の中で肩に負担がかかりすぎていないかどうかを、見直してみる
・重労働(建設、介護など)
・デスクワークでの長時間残業
・慢性的な寝不足になるくらいの専業主婦(子育てと介護を同時に行うなど)
・趣味なら練習のしすぎによるオーバーワーク
などを確認しつつ、生活を見直してみることが重要です。50歳前後で肩の痛みが出てきた場合は「限界が近いぞ。無理をするな…」という身体からのサインとも言えます。
病院の外までは目を向けられないので、こんな記事をちょこちょこ書こうと思います
次は予防、体操について