筋トレとボイトレに力を入れすぎた理学療法士の話

整形外科クリニックの理学療法士(主任)。経験則を交えながら、忙しい社会人向けの筋トレ、ボイトレ、健康法についてお話しします。

腰痛の原因と生活指導①効果的な治療はあるが決定打はない

ちょっとしたきっかけでTwitterで腰痛について言及しました。整形外科クリニックだと腰痛患者は非常に多いです。リハビリに通う人は中年、高齢者の頑固な腰痛が中心です。

 

腰痛って治りますか?という質問に対して

8割以上の人が人生に1度は腰痛を経験していると言われています。そのくらい身近なものです。辛い症状が出なくなるように対処することは可能ですが、完治は難しいと思います。腰痛を起こらないような生活を心がけて症状が大幅に改善することはあります。

 

外来リハビリの腰痛患者も進化している

10年前は腰痛体操のパンフレットを渡せば「なるほど」と言われる時代でした。今は「テレビや本を見て腰痛改善に取り組んでいる。ストレッチや腰痛体操🤸‍♀️を行っても改善していないのでどうすれば良いですか?」と悩んでいる患者さんがたくさん来院します。最近は立位体前屈で手のひらが床に着くくらい柔軟性が高いのに腰痛が強いという方をよく担当しています。

 

※腰椎の前屈可動域が大きいと腰痛を発症しやすいという研究結果があります

 

ストレッチ、体操を行っても腰痛が改善しない場合に生活スタイルなどを徹底的に問診して・社会心理的な要因(ほぼ人間関係)・オーバーユース(使いすぎ)・腰痛を発症しやすい骨格(腰椎が動きすぎてしまう)などがあるか確認していく。

 

僕自身も社会人1年目には腰痛で悩まされました

今思えば

・仕事への不安(一時期ニートでした)

・仕事で疲れていた

・不規則な生活

・体重88kg程度の肥満(現在は70kg)

 

規則正しい生活をして、ダイエットをして、リハビリ業務で疲れるようなことは極力減らしたら腰痛も改善し、勉強や趣味に使える時間を増やせました。子供が産まれてから生活リズムが一定したので、腰痛は大幅に改善して風邪もほとんど引かなくなりました。逆に子供が産まれて忙しくなってしまった働く女性は腰痛になる可能性が高くなると思います。

 

仕事の負担をどう減らしたか

別記事で言及して後ほどリンク貼ります。

 

腰痛は外的、内的ストレスが関わっている

腰痛の原因としては

外的要因

・腰部負担の多い姿勢

・長時間労働と休養の不足

・大きな怪我の経験

内的要因

・人間関係のストレス

・仕事への不安

・うつ状態

 

理学療法士としては外的要因の改善がメインになります。ボディメカニクスの指導、腰痛体操が一般的。さらに仕事、家事などでオーバーユース(使いすぎ)があれば労働時間を減らすことも勧めています。

 

※医療者向けガイドラインです

minds.jcqhc.or.jp

 

※エビデンス(根拠)が明確でないものに関しては自分なりの立場を明確にしておくと良いです

 

ギックリ腰になった時に骨に異常が無ければ3日目からは安静にせず積極的に動いたほうが良いみたいな情報は一般的にも広まって欲しいです。

あとはよくある質問で「マットレスの硬さはどうしたら良いですか?」と聞かれたときに「硬すぎないほうが良いと思います」と答えています。

理学療法士ならガイドラインに沿った治療を…と言いたいところですがこれを見ると👀腰痛に対して効果的な治療はたくさんあることがわかります。腰痛に良いと言われる治療を行っても思った通りの結果が出ないということも非常に多いです。

 

生活指導を含めた治療例に関して別記事で続きを書きます。介護を行っている50代以上の女性の腰痛はかなり手強いです。