筋トレとボイトレに力を入れすぎた理学療法士の話

整形外科クリニックの理学療法士(主任)。経験則を交えながら、忙しい社会人向けの筋トレ、ボイトレ、健康法についてお話しします。

腰痛の原因と生活指導②睡眠不足の解消を

前回の続き。実際にリハビリ場面でどのような生活指導を行うかをお伝えします。エビデンスよりも経験に基づいた内容になっています。 


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まずは生活習慣を細かく問診する

起床時間から仕事、就寝時間までどのように生活をしているか。その中で腰痛を生じたり身体的につらい場面があるかどうかを確認します。

睡眠不足(起きている時間が長い)

中枢性疲労(脳の疲労)が溜まる、自律神経の乱れにより痛みを感じやすくなります。つまり痛みに敏感になります。

・サラリーマンは通勤時間が1時間以上かかることによる遅寝、早起き

・不規則な勤務

・若年者ならスマホの見過ぎによる夜更かし

・専業主婦でも家事動作から子供や孫の世話、介護まで行い、朝から動きっぱなし

という方が実際にいました。

椎間板は重力にさらされているだけで負担がかかる

上記の過敏になる症状に加えて、起きている時間が長いと椎間板というクッションに圧がかかります。椎間板が潰れて後方に移動してくるため腰部が刺激されて痛みを生じてくると考えています。特にデスクワークや運転の仕事では座っていても負担が大きくなります。立っている場合では前屈姿勢での作業です。疲労が蓄積するとある日突然ぎっくり腰、脚の痛みやしびれを伴うヘルニアなどになる可能性があります。

※寝っ転がってスマホをいじっている場合は大丈夫ですが、睡眠不足そのものが神経を過敏にするので注意

対処としては1日平均7時間睡眠を

睡眠時間を確保するために残業をしない、疲れる家事は男性に手伝ってもらうなど。横になって昼寝をすると椎間板の形が元通りになってくるのでおすすめです。すぐに生活習慣を改善することは難しいと思います。長期間腰痛に悩まされている場合は昼寝や休日の寝だめも含めて7時間程度の睡眠を心がけると良いと思います。

疲れすぎると眠れなくなる

自律神経が乱れて興奮状態が続くと眠れなくなります。

僕の場合は仕事で嫌なことがあって頭から離れなくなったり、ライブではしゃぎすぎた夜は興奮が冷めずに眠れなくなります。3時くらいに就寝すると翌日はどこかしら痛みがあります。0時までには寝るように心がけています。シンデレラです。僕の担当している患者さんも不眠症で睡眠薬を内服している方が多いです。

問診の際に内服薬を確認しておくと良いです。

 

必要に応じて追記します。次回は負担がかかる姿勢について