腰痛の原因と生活指導⑤腰部の耐久力という概念
つい先日MRIを撮影したところ「腰椎椎間板ヘルニア」ということが判明しました。さらに腰部の椎間板が変性していることが判明しました。
※ここでの変性とは水分が抜けていること、MRIでは本来白い部分が黒く写っていた
僕自身も学生時代から腰痛に悩まされていました。現在は日常生活や仕事には支障がないレベルでコントロールできています。無理をしたり、天気が悪くなると鈍い痛みが出てきます。どのくらい無理をすると腰痛になるかは人によって違いがあります。それが耐久力です。
女性、高齢者の椎間板は弱い
女性は男性の2/3、60代以降の高齢者は若年者の4割程度まで落ちると言われています。椎間板は前屈位での作業や重量物などで負担がかかるため無理な仕事を続けていると年齢が上がるにつれて危険度が増します。さらに高齢女性は骨粗鬆症により背骨の耐久力も落ちるため特に注意が必要です。
リハビリでも「どのくらいの重量を扱う際に気をつければ良いのでしょうか?」と質問されることがあります。
男性は体重の40%、女性は25%程度
機械を使わず人力によってのみ作業をする場合の重量は、男性(満18歳以 上)は体重のおおむね40%、女性(満18歳以上)は、男性が取り扱う重量 の60%程度とする
厚生労働省 腰痛予防対策指針 より
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/131114-01.pdf
看護、介護などの医療職の腰痛に対してもこのような指針が出されています。守れているのだろうか💦リハビリも含め女性は無理しているような気がします。
僕は体重70kgなので28kgまで、おおむね米1俵くらいです。最近では引っ越し業者のダンボール運びを📦見ていると非常に大変そうでした。
ちなみに体重50kgの女性では12.5kg程度になります。
これが約12kgです。女性なら家やスーパーでこのダンボールを持ち上げて、これよりも負担が掛かっている作業があれば「中止する、機械を使う、手伝ってもらう」です。スーパーなどに勤務している女性はそもそも注意が必要です。医療職では自分の腰にどの程度の負荷がかかっているか分かりにくいので目安に。
孫の抱っこをしたら腰痛が悪化した
よく相談されます。50代以上の女性が1〜2歳の子供を抱き上げることは辛いです。ちなみに僕の息子は4歳半で20kg以上あります。平日の朝にベッド🛌から引きずり下ろすのにかなりの集中力を要します。
※朝は椎間板の位置が安定していないためケガのリスクが高い。要注意
腰痛の経験、ヘルニアがあると要注意
リハビリで問診をすると、ぎっくり腰やヘルニアの経験がある人は容易に再発します。交通事故などの外傷や各種の外科手術後も同様に腰痛を生じやすくなります。
若い時にスポーツで使いすぎて腰痛に悩まされた場合もある程度の年齢になると出てくることがありす。おそらく強い痛みが出るほど損傷した組織は少し弱い状態で再生すると思われます。そのような組織は神経も過敏になり天気や疲労の影響も受けやすくなると思われます。
※まだ調べ切れていない情報なので参考までに
トレーニングをして耐久力アップもできると良い
腰部の耐久力をアップするためにインナーマッスルの筋力強化があります。一定の効果が得られていますが、あまり好きではない…
個人的には少しキツい程度の負荷でのスクワットやダンベルカールもおすすめです。持ち上げる際に体幹を固定する必要があるのでインナーマッスルごと鍛えられますし、見栄えが良くなります。
ある程度の腰痛は残ります
僕もかなり鍛えているのですが、残念ながら天気や疲労の影響は避けられないです。痛めれば痛めるほど取り返しがつかなくなるので、1度でも腰痛を生じたら日常生活や仕事で負担がかかっていないか見直すことをおすすめします。
次回は腰痛ベルトについて書きます