変形性膝関節症患者に対してフルスクワットをさせることもある
変形性膝関節症の患者から
「膝が悪い場合に筋肉を付けたほうが良いと言われたんですが、スクワットってどうですか?」と聞かれました。
おすすめです。筋トレも日常生活動作に近いほど効率的です。「特異性の原則」と言います。
・立ち上がり、歩行
・しゃがむ動作
・階段昇降
・床から重いものを持ち上げる、降ろす
・掃除などの家事動作
など膝を曲げて力を入れる動作は日常生活で非常に多いのでスクワットはおすすめです。2回言いました。
・畳、座椅子、こたつ
・ベッドではなく布団
などの和式生活であれば、さらに膝を深く曲げて力を入れることが多くなります。
※和式トイレは希少なので考えなくて良いです
さらに特に僕の住んでいる魅力度最下位の茨城県は…
庭が広い!
茨城県は1住宅あたりの敷地面積が第1位。違っていたらごめんなさい。栃木、群馬も広いです。そしてドライブスルーも多い。日常生活で
・畑仕事
・庭木の剪定、庭掃除
・草取りでしゃがむ
などの動作が追加されます。こういった場合、可能であればフルスクワットをさせることもあります。
冒頭で述べた特異性の原則には「角度特異性」があります。日常生活で膝を深く曲げる場合は、筋トレでも膝を深く曲げる練習をしたほうが効率良いということです。
当然こういった質問がきます。
フルスクワットは危険じゃないのか?
臨床実習生に質問されたことがあります。理屈としては「しゃがむなどの深く曲げる動作を繰り返す習慣がある人は膝に痛みが出やすい」という研究もあります。
過去記事と同じように炎症症状が強いと思われる場合にはスクワットそのものを控えます。むしろ他の筋トレやウォーキングもおすすめしません。
個人的には過剰に運動をさせないこともリハビリの1つと考えています。当たり前ですが、洋式生活はエコです。膝が悪く、高齢になるほど無理せず和式→洋式に切り替えてしまったほうが楽です。
しかし…
正座したい、しゃがめるようになりたいというニーズが多い
本当に多いです。
昔はテレビに映った天皇陛下の前ではキチッと正座して食事をするのが当たり前。ひとたび脚を崩せば「こらっ!」と箸で🥢手を叩かれるような時代です。
※複数の高齢者から同じような話を聞いています
同じように生活習慣を続けていても高齢になると自然に筋力が落ちてくるので、床からの立ち上がりが徐々に辛くなってきます。
単純に筋力不足なだけで膝の状態が悪くなければフルスクワットができるようになると和式生活に適応できる場合も多くあります。
まずは効率の良いハーフスクワットから教えます
上記の本はおすすめです。フルスクワットと言っても完全にしゃがみ込むわけではありません。膝よりも臀部が低くなるまで、なおかつ背中が丸まってくる直前までです。正しいフォームで行えば自然に筋肉も付きます。
体幹、股関節、膝関節、足関節に体重を分散させます。膝が悪い人でありがちなのが
・過剰な踵重心
・立ち上がる瞬間に膝が左右にブレてしまう
・背中が丸まってくる、反りすぎる
これらを修正しつつハーフスクワットに適応したらフルスクワットまで出来そうかどうか判断します。概ね「痛みなしで軽々30回できればステップアップして良い」と考えています。個人的な意見です。
フルスクワット30回を目指します
30回できれば和式生活はほぼ問題ないレベルになります。
まずは10回からスタート、30回を目標にしてフォームが崩れた時点で終了させます。当然痛みが出ることもあります。痛みが翌々日(48時間)を過ぎても取れない場合は負荷が強すぎるため中止します。
やっぱりフルスクワットは無理だな…となった場合は
・ハーフスクワットで速度アップ
・片脚または脚を前後に開くスクワット
・ダンベルやカバン🧳を持ってスクワット
後ほど詳しく述べます。
フルスクワットは頻度と量をコントロールすればそれほど危険ではないと思っています。むしろフルスクワットができないくらい筋力が落ちているのに和式生活をしているほうが危険です。
ただ僕自身は高齢になったら迷わず洋式生活に切り替えます…エコなので。
この話題に関連して「スクワットはダイエットに良いのか?」という質問もあったので別記事で書きます。